開業時から変わらぬ石造りのファサードが 40年近い歴史の重みを静かに伝える
右手に相模湾を眺めながら134号線を南へとクルマを走らせていると、ふと懐かしい音楽を流したくなる。青春時代に幾度となく訪れたこの道で、記憶の断片が鮮やかに蘇る。やがて左手の丘側に弧を描くようにのぼる小道が現れ、その先に「葉山ホテル音羽ノ森」は静かに佇んでいる。
PHOTOGRAPHY Atsushi Makabe WORDS Koichi Yamaguchi

葉山の高台に
40年の歴史と品格が息づく宿
1987年、葉山の海を見渡す高台に立つ海の家の土地に一目惚れしたオーナーが、「湘南エリアで最高のホテルをつくる」という信念のもと開いたリゾートホテルだ。それ以来、地中海の高級リゾートを彷彿とさせる白亜の外観と吹き抜けのロビーで人々を迎えてきた。現代フランスを代表する画家アンドレ・ブラジリエの作品をはじめ、オーナーがコレクションする絵画が客室やロビーに飾られ、洗練された美意識が館内の隅々まで息づいている。

吹き抜けのロビーには開業時のシャンデリアが輝き、相模湾の青が目に飛び込んでくる。
2021年から約2年をかけた大規模リニューアルで、ホテルは新たな命を吹き込まれた。20室を15室に絞り込み、全室を広々としたスイートへと一新。全室にオーシャンビューバスを備え、バスルームの窓を開け放てば、バスタブに身を沈めながら相模湾と静かに向き合う極上のひと時が叶う。右手に伊豆半島、左手に三浦半島、晴れた日にはテラスから富士山が姿を見せるこの絶景は、何もしない贅沢を格別なものにする。客室にはアルフレックスの家具を取り入れ、開業当時のシャンデリアを残したロビーとともに、時を超えた品格を湛えた空間が生まれた。
レストランでは、年間300〜400頭しか出荷されない希少な葉山牛、三崎港直送のマグロ、相模湾の魚介を、オテル・ドゥ・ミクニで腕を磨いた総料理長が四季折々のフレンチコースに仕立てる。新たにくわわった鉄板焼は6席のみの贅沢な設えで、目の前で繰り広げられる調理の所作もまた体験の一部となる。夕陽が相模湾に沈む時間に合わせてディナーを始め、月明かりに揺れる水面を眺めながら夜を過ごせば、アニバーサリーの記憶は深く刻まれる。ドッグフレンドリールームも1室用意されており、愛犬とともに特別な滞在を過ごすこともできる。
絶景と美食が織りなす
極上の滞在体験

目の前に相模湾が広がる水盤テラスを備えたルーフトップテラススイート。
チェックインを済ませたら、まずロビーラウンジのフリーフローサービスで一息つきたい。スパークリングワインを手に相模湾を眺めていると、日常の喧騒がゆっくりと遠ざかっていく。駐車場には充電設備も備わり、EVでのドライブ旅にも対応している。
客室はすべてオーシャンビュースイートで、最小でも44㎡という贅沢な広さを誇る。テラスに水盤を備えたルーフトップテラススイート、屋外プールを擁するデラックスプールスイート、バルコニーにジャグジーを設えたコーナージャグジースイートなど多彩なタイプが揃う。全室にオーシャンビューバスを備え、ゆったりとしたサイズのバスタブでリラックスしながら相模湾を一望する贅沢な入浴を堪能できる。
夕刻には、ロビーに隣接するインフィニティスパ「ブルー・ラグーン」へ。海へと続くように設えられた人工温泉に浸って、刻々と色を変える空と海を眺める時間は格別だ。

海へと続くように設えられたインフィニティスパ「ブルー・ラグーン」。
ディナーはオーシャンビューのレストランで。ソムリエが選ぶ極上ワインとともにコースに向き合う。食後はバーへ。丁寧に仕立てられたカクテルを片手にバーテンダーとの静かな会話を楽しみながら、満たされた時間がゆるやかに流れていく。

134号線を走る高揚感が、旅の始まりを告げる。
葉山の高台に位置し、相模湾を一望する全室オーシャンビュースイートのリゾートホテル。1987年の開業以来、湘南エリアを代表するクラシックホテルとして愛され、2023年11月に全館リニューアルオープン。全15室はいずれも広々としたスイートで、全室にビューバスを完備。フレンチと鉄板焼の2つのレストランでは、葉山牛や三浦野菜、相模湾の魚介を使ったコース料理を提供。ドッグフレンドリールームも1室用意する。
神奈川県横須賀市秋谷5596-1
☎ 046-857-0108
P 15台 EV充電器 2台
※エントランスに続くスロープが急斜面のため、運転に自信のない方や車高の低いお車の方はホテルにご連絡を。バレーサービスで対応いたします。

